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浮気調査知識

妻にSEXを求めない夫の末路

妻にSEXを求めない夫の末路

結婚して10年、年齢はすでに40歳を超えているのだが、丸顔でポッチャリしているためか、実年齢よりも幼く見える依頼者のキミコさんは、初対面で朗らかな笑顔を絶やさず、深刻な悩みを抱えているようには見えなかった。しかし、来社して早々、私にきっぱりとこう言い切ったのである。「夫は間違いなくゲイです。私とは偽装結婚だったのではないかと疑いを持っています」聞けば夫とは親戚の紹介でお見合いをし、短い交際期間を経て結婚。交際中から夫は妻に触れようともせず、結婚後も現在に至るまで肉体関係はほとんどないという。それならば、なぜ結婚しようと思ったのか。その答えを聞こうとする前に、キミコさんのほうからこんな話をしてくれた。「結婚する時は、夫は精神的な公務員なので、親戚からもとても評判がよく、この人なら理想的な夫だと思いました。しかも見た目も学歴も、収入もとても良かったので、理想の男性だったんです」キミコさんはバージンではなかったが、男性経験も少なく、結婚前に体の関係を求めて来ない夫に「堅い人なのだ」と前向きにとらえていたという。晴れて夫婦になれば、彼も男なので当然、夫婦としての営みを行うに違いないと考えていた。しかし、それはただの妻の思い込みでしかなかった。結婚式を挙げて、初夜を迎えても夫は指一本触れようともせず、一つ屋根の下で住むようになっても身体を求めてこない。キミコさんも、不安になって「夫婦なんだから、ちゃんと結ばれたい」と尋ねたところ、「仕事が重なってね、忙しくて疲れているんだ」と言うのが常。それでも新婚当時は、半年に一度程度、キミコさんが求めると仕方がなく応じたこともあったというが、それもどうやら中途半端に終わってしまい、今では皆無の状態となっているとか。そんなキミコさんに追い打ちをかけるように、周りからは「お子さんはまだ?」と聞かれることが多くなり、一人思い悩むようになっていた。「子どもなんてできるはずがありません。そもそも子どもができることをしていないのですから」夫から求められない原因がキミコさん自身に魅力がないからなのかなと思い、エステに通ったり、派手な下着も買って身に付けてみたり、いろいろ努力はしてみたのだが、すべて徒労に終わってしまったという。妻は誰にも相談できず、悶々と悩んで眠れぬ夜を過ごしてきた。そのうち、夫が肉体関係を求めてこないのはおかしいと思い始め、いろいろ考えた末に行き着いた結論が、「夫はゲイだから女性の自分に関心がない」というものだ。「夫がゲイという証拠を取ってください」と、キミコさんは真剣な目で言ってきた。客観的に見てもキミコさんは、ポッチャリはしているが決して魅力がないタイプではない。むしろグラマーで笑顔が可愛い、男性ならSEXアピールを感じずにはいられない女性である。キミコさんの悩みを聞けば聞くほど、なぜ夫は体の関係を持とうとしないのか、私は不思議でならなかった。「夫はゲイではないか説」は、確かに説得力のある答えではあるが、この段階では確証はない。探偵たちには、そうしたキミコさんの疑いを説明しつつも、予断無き調査を冷静に遂行するよう命じ、すぐに夫の身辺に張り付くことになった。――三カ月の調査の末に判明した事実――調査を開始して二週間、ずっと夫を尾行していたのだが、仕事が終われば自宅へ直行。たまに同僚と飲みにでかけることはあっても、怪しい点は皆無であった。もちろん、特定の愛人や俗っぽい付き合いも無い。「もしかしたら、完全なシロか?」探偵たちの間で、そんな思いを共有するようになっていった、ある日のこと。仕事終わりを張り込んでいた探偵は、いつもと違う行動に「おやっ?」と感じたという。帰宅する方向が違うのだ。一定の距離を保ちながら尾行したところ、なんと夫は新宿二丁目のゲイバーへ入っていった。しかもたった一人で。何喰わぬ顔で探偵も入っていくと、夫はカウンターに腰掛け、お店のママ(と言っても男性であるが)と親しげに話していたのだ。誰が見てもお店の常連であるのは間違いない様子。その夜は、バーで二時間ほど過ごし、帰っていった。以後、調査を行った二カ月の間、お店には数回顔を出していたが、男性との接触は確認できず。もちろん女性と会うこともなく、行動としては極めて真面目だった。バーでは酔っぱらわない程度にカクテルを飲み、飲みすぎてへべれけになることもない。同性愛者が集まることで有名な新宿二丁目に月入りしているだけで、ゲイである確証はついに出てこなかった。そこで探偵は、常連として通うゲイバーのママに、それとなく夫について聞き込みを行ったところ、意外な事実を知ることになった。「ああ、あの彼ね。あの人、とても悩んでいたわ。インポなんだって。だったらゲイになりなさいよって言ったんだけど、笑ってごまかされちゃったわ」ついに衝撃の新事実をキャッチした瞬間だった。10年の夫婦生活の中で妻と肉体関係がほとんどなかったのは、夫の勃起不全が原因だったのだ。精神的なものか肉体的な疾患なのか、きちんと病院に行って治療すれば治るかもしれないのだが、恥ずかしさから一人悶々としているらしい。しかしゲイバーのママにだけは、唯一、そんな悩みを相談していたというのだ。「私なんか、外見は男だけど心は女でしょ? だからなのか下半身の悩みを打ち明けてもコンプレックスを感じなかったのかもね」ママの言葉を具体的に書き添えた報告書を見せながら、キミコさんに今回の調査結果を説明したところ、彼女はがっくり肩を落としてポツリとこう漏らした。「そうですか、ゲイじゃなかったんですか……」探偵社では夫の不倫調査を依頼され、実は男性と関係していたという結果は、割合よくあるケースだ。多くの妻が「夫は女性より男性が好き」だという現実を知ると、立ち直れないほどのショックを受けるのだが、今回のケースは全く逆のパターンだった。キミコさんは正常な夫婦の営みがある生活を望んでおり、もし夫がゲイだったら、それを理由に離婚を迫ろうとしていたらしい。一連の調査結果を聞き終えた時、キミコさんは何かを悟ったように、こう答えた。「そうですか、分かりました」結婚生活には、様々な形があってしかるべきだと思うが、肉体関係を望む妻とそれに応えられない夫では、関係を維持するのは難しい。ただ今回は、きちんと治療すれば改善できる余地は残されているのだ。私は、夫のプライドを傷つけないよう治療することを促してはどうかと提案したのだが、キミコさんの反応はいまひとつだった。――キミコさんの選択――アフターケアとして連絡している中で、キミコさんから私宛にメールが届いた。弊社では、調査を行った人へのサービスとして、調査後も相談を受け付けている。それによれば、調査結果を聞いてから即座に離婚調停を開始したところ、夫は離婚を待っていたかのようにすぐに承諾してくれたという。夫にとってもSEXのない夫婦生活が、重荷になっていたのかもしれない。お互いにとって、ここから再スタートを切る方が、最善の選択だったのだろう。それからしばらくして、キミコさんは別の男性と再婚し、可愛い子供を授かったとの連絡を受けた。「探偵社に調査したことが背中を押してくれました。次のステップに進むきっかけになったと思います。本当にありがとうございました」との内容だった。探偵社にはいろんな人たちの人生模様に触れる機会に遭遇する。このケースは不倫ではなく、依頼者が求めていた結果を出せたわけではないのだが、真実を明らかにすることができ、これからへの未来設計と照らし合わせ、探偵社の調査が、その助けとなったならば、夫婦それぞれにとって、良き道標としての役割を果たせたのではないか。探偵の調査が幸せの第一歩になることを、これからも目指していこうと誓った案件だった。