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浮気調査知識

体力の限界に挑んだ探偵のエピソード

体力の限界に挑んだ探偵のエピソード

それは夫からの依頼を受けて、不倫の疑いがかかる妻を尾行中のことだった。当然のことながら、相手にバレないよう一定の距離を保ちながら、スマホなどをいじって普通の散歩を装いつつ歩くのが鉄則。時折、目の前の尾行対象者がふいに振り向くことがあるが、そんな時も慌てず騒がず、何事もないように、平然としていなければならないのだ。ところが、この日の尾行対象者である依頼者の妻は、そんな探偵のセオリーでは対応不能な女性だった。なんと、それまでの何の違和感もなく前向きに歩いていた彼女だったが、いきなり身体を反転させて後ろ向きに歩き始めたのだ。つまり後ろを向ける探偵に正対し、目線がばっちり合ってしまったのである。一体、何が起きたのか。探偵はとっさに理解できなかったものの、バレてはいけないというプロ意識から、食わぬ顔で彼女の横を足早に抜き去って、尾行を一旦中断し、遠巻きに観察してみた。すると、後ろ向き歩行を50メートルほど行ってはまた反転し、しばらく前向きの普通の歩き方をしていると、再び後ろ向き歩きに変わることを繰り返していた。つまり警戒から身体を反転したのではなさそうだった。探偵は不思議に感じたが、妻は夫の健康オタクで、今は「後ろ向き歩き健康法」にはまっているとの事だった。しかし、これでは尾行もやりにくい。夫に相談すると出た答えが……。「妻は熱しやすく冷めやすいタイプ。三日もすれば飽きて違う事やりだすから、二、三日、様子をみましょう」案の定、三日後に再び依頼者の妻を尾行したところ、後ろ向きに歩くことはしなくなっていたが、今度は本格的に運動に目覚めたらしく、ジャージ姿で現れ、急に走り出したのである。普段、冷静な探偵もこれには大慌て、彼女の後を走って追いかけた。さすが健康オタク、これまでにいろいろ実践してきただけあって、体力は抜群だった。スピードも本格派ランナー並みに速く、しかも、いつ立ち止まるのかと思うほど、延々と走り続けるのだ。妻を見失わないように、探偵も全速力で走らなければならず、体力的にかなりハードな調査となった。やがてどんどん調査対象者である妻との距離が離れていく。「もうダメだ!」と、息も絶え絶えとなりながら路上に突っ伏してしまう探偵であった。後日、走り始めた場所から、探偵がリタイヤした場所までの距離を測ってみたところ、約10キロだったが上り坂や急なカーブもあり、よくここまで走ったものだと同僚たちから褒められたという。さて、この体力自慢の妻の不倫調査に関しては、なにしろ飽きやすい性格の持ち主である浮気相手の男を捨てるのも電光石火の早業で、なかなか尻尾を掴めなかったが、なんとかその事実を突き止めることに成功。夫に報告すると、「飽きやすい性格ですからね、今は不倫のスリルを楽しんでいるのでしょう。しばらくしたら、別のスリルを求めていきますから、またその時にこれからのことを考えます。ただ、事実を確認しておきたかったんです」と、良く言えば夫は能天気な妻の天然ぶりを楽しんでいる節もあり、離婚はまだ先のような結果となった。ただし10キロも走った探偵は、体力が時には必要な状況があると学習し、現在、せっせとジムに通って肉体改造に取り組んでいる。