一枚の写真からすぐに場所を特定
昨今の家出人は、親御さんに居場所は告げないものの、インスタに写真をアップする行為を続ける場合が少なくありません。しかし親世代はインスタなどやっておらず、動向を掴むむずかしい状態です。友人も家出人の味方となっているので、教えてはくれないことがあります。若い家出人(高校中退した女の子・遊び好きなタイプ)の場合、大抵が彼と一緒だったり、あるいは風俗で働いていたりすることもあるので、早く発見して更生してもらいたいと、探偵たちも我が子を探す気持ちで捜索に当たっています。そんな彼たちのアイテムで外せないのが前述のインスタなのですが、家出人のインスタの写真の中から、ヒントになりそうな情報をピックアップし、そこからここにいるのか所在地を探り出す手法が用いられます。例えば、特徴的な看板のロゴの一部、後ろの遠くで微かに写る電車の色、線路の数、マンション建物の形……などからストリートビュートと照らし合わせ、居所を特定するのです。しかし、この調査は手間暇と根気がとてつもなく必要とされます。もちろん、ある程度範囲をぼってから行うのですが、それでも砂山の中から小さなガラス片を探すようなものです。ある時、捜索していた家出人の女の子が、「引っ越しました」というハッシュタグをつけた一枚の写真をインスタに上げたことがありました。それはガランとした何もない室内で写したものの窓の外の風景はなく、室内のディテールと、ほんのわずかにベランダの脇に写っていたマンションの一部、そして新築という情報。他の情報によってある程度絞られていたエリアを、この一枚の写真をヒントにストリートビューで検索。さらに新築のワンルームマンションで絞込み、該当するマンション内部の不動産情報を入手しました。内部の間取りと写真、さらに建物の部屋を照らし合わせ、その部屋を特定することに成功。写真の角度から、何階の何号室というところまで判明したでした。すぐにそのマンションに急行し、該当する部屋のインターホンを押したところ、どんぴしゃりで本人が登場。風俗で働き、ホストに貢いでいたとか。後は親御さんと話し合ってもらい、探偵たちは更生することを祈るのみでした。