内容証明郵便を出してから交渉を開始する方法もある
・相手が交渉の場に出でこないときの対策はさあ、いよいよ示談交渉だ、と張り切っても、相手が交渉の場に出て来なければ、交渉のしようがありません。電話をしても居留守を使い、手紙を出しても梨のつぶて。こんな場合に、示談交渉のプロである弁護士のよく使う手を紹介しましょう。まず、トラブルの原因となっている事実関係を調べます。その上で、相手方に請求できる内容を明確にします。それが損害賠償金の請求であれば、少し上乗せして請求金額をはじき出します。以上が準備手続きです。請求する内容が定まれば、それを内容証明郵便で相手方に送ります。もちろん、配達証明付きにして出します。そして、「〇〇の件について話し合いをしたいので、〇月〇日までに返事をもらいたい」旨を記載しておきます。前にもちょっと説明しましたが、配達証明付内容証明郵便で請求書を送ることにより、何年何月何日に、これこれの内容の請求書が相手方に到達したことを公的な機関である郵便局によって証明してもらうことができます。相手が普段、内容証明郵便とは無縁の生活をしているような場合には、麗々しい内容証明郵便を受け取ると、びっくりします。中には、それだけで相手方が金を持ってきたというケースもあります。図あくまでも内容証明郵便は悪どい相手に対してだけ誠意をもって話し合いをするようにと言っていながら、内容証明郵便を送りつけろとは、言っていることが相反するのではないか、と思われるかもしれません。内容証明郵便を送るのは、あくまで相手が交渉の場に出てこない場合に限ります。ですから、その前に、示談交渉を始めたいと、電話をしたり、手紙を何度も出すなどの努力をすることがが必要です。通常、内容証明郵便で請求する場合には、「〇年〇月〇日までに、何らかの返事がない場合には、法的手続きを取らざるを得ないことを申し添えておきます」などの最後通牒的な文言が書かれます。内容証明郵便を受け取った相手は、これは放っておくと訴訟を起こされるかもしれない、取りあえず話だけでも聞いておこうという気になるものです。このように内容証明郵便には、本来的な出された手紙の内容を証明するという効果以外に、相手を驚かせ、威圧する副次的な作用を持っていることも否定できません。悪どい相手に対しては、このような手段も止むを得ないと思うのですが。⭐︎ポイント確実に示談交渉の場に引っ張りだすには内容証明郵便で。