協力者は気をつけて
2025/09/05
家出人捜索では、カプセルホテルやネットカフェに潜入し、店員に話を聞くこともあります。その中には、探偵であることが分かると俄然張り切りだし、協力を惜しまない店員に出会うことも少なくありません。ある時、ネットカフェでの調査で、店員に家出人(20代女性)の写真を見せたところ、定期的に訪れて二日程度宿泊することが判明。探偵たちも「ビンゴ!」と気を良くし、また来たら連絡してほしいと名刺を置いていきました。すると数日後、件の店員から「今、彼女が来店した」との連絡が入り、探偵たちが駆け付けてみると、その店員が家出人の彼女のブースの前で見張り中。しかも、探偵たちが現れると、探偵さん、「こっちこっち」と声をかけてきたのです。中の彼女に聞かれたら、どうにしようかもうしません。しかし、善意で協力してくれた店員を叱責するわけにもいかず、手で静かにするようにと制し、タイミングを見計らってドアをノック。ところが……出てきたのは家出人とは、似ても似つかない女性。前のめりになった店員の勇みがすべての原因でしたたが、これもまた、今後は店員への聞き込みは慎重にしようという教訓となりました。ちなみにこの家出人は、彼氏と駆け落ちしていたことが後で判明。親の説得で別れ、無事帰宅したそうです。
一枚の写真からすぐに場所を特定
2025/09/05
昨今の家出人は、親御さんに居場所は告げないものの、インスタに写真をアップする行為を続ける場合が少なくありません。しかし親世代はインスタなどやっておらず、動向を掴むむずかしい状態です。友人も家出人の味方となっているので、教えてはくれないことがあります。若い家出人(高校中退した女の子・遊び好きなタイプ)の場合、大抵が彼と一緒だったり、あるいは風俗で働いていたりすることもあるので、早く発見して更生してもらいたいと、探偵たちも我が子を探す気持ちで捜索に当たっています。そんな彼たちのアイテムで外せないのが前述のインスタなのですが、家出人のインスタの写真の中から、ヒントになりそうな情報をピックアップし、そこからここにいるのか所在地を探り出す手法が用いられます。例えば、特徴的な看板のロゴの一部、後ろの遠くで微かに写る電車の色、線路の数、マンション建物の形……などからストリートビュートと照らし合わせ、居所を特定するのです。しかし、この調査は手間暇と根気がとてつもなく必要とされます。もちろん、ある程度範囲をぼってから行うのですが、それでも砂山の中から小さなガラス片を探すようなものです。ある時、捜索していた家出人の女の子が、「引っ越しました」というハッシュタグをつけた一枚の写真をインスタに上げたことがありました。それはガランとした何もない室内で写したものの窓の外の風景はなく、室内のディテールと、ほんのわずかにベランダの脇に写っていたマンションの一部、そして新築という情報。他の情報によってある程度絞られていたエリアを、この一枚の写真をヒントにストリートビューで検索。さらに新築のワンルームマンションで絞込み、該当するマンション内部の不動産情報を入手しました。内部の間取りと写真、さらに建物の部屋を照らし合わせ、その部屋を特定することに成功。写真の角度から、何階の何号室というところまで判明したでした。すぐにそのマンションに急行し、該当する部屋のインターホンを押したところ、どんぴしゃりで本人が登場。風俗で働き、ホストに貢いでいたとか。後は親御さんと話し合ってもらい、探偵たちは更生することを祈るのみでした。
探偵への相談数第2位は人探し
2025/09/05
探偵社への依頼で圧倒的に多いのが不倫調査ですが、その次に多いのが「行方不明者捜索」です。端的に言えば、ある日、忽然と姿を消してしまった家出人の捜索です。こうした場合は、自殺する可能性があり、一分一秒の遅れが命取りとなるケースもあります。家出する場合、そこには何らかの理由があり、心を病んでしまっていることもあります。そこで弊社では、まず家族・親族の方から情報を徹底的にヒアリングし、家出した方の人物像を事細かく把握します。捜索依頼を受けて開始した当日に、捜索対象者の17歳の家出少女が自殺死体となって発見されたケースもあります。したがって危ないと思われる場合は、早めに探偵に依頼し、できるだけ早く捜索することをお勧めします。自殺の可能性がある案件で、まさに探偵たちは寝食を惜しみ、発見まで不眠不休で捜索に当たり、有力な目撃情報をもとに家出人の所在をある駅周辺までしぼって、ローラー作戦で捜索したこともありました。丹念な聞き込みとプロファイリングから予想される行動パターンを合致させ、実際にピンポイントで神社に境内でぽつんと座り込んだ家出人を発見。手にはボストンバッグが握られていたのですが、なんとその中には一本のロープが……。開けば静かな場所で首つり自殺をしようと考えていたとか。あと十分遅ければ、もしかしたら死んでいたかもしれない案件でした。家出人捜索には、人生のドラマが渦巻いています。実際に家出人捜索がどのように行われているのか、それぞれのドラマとともに事例をご紹介しましょう。
探偵が使うスマホ用ガジェット
2025/09/05
探偵にとってスマホは必需品であり、これ一台で調査がスムーズに進むと言いましたが、その効果を何倍にも高めてくれるのが、探偵のために開発されたと言っても過言ではないスマホ用ガジェット(雑貨)です。その一例をランキングでご紹介しましょう。第5位「スマホ用拡大ルーペ」スマホに固定することで細かい文字や映像を拡大できる。年配探偵の強い味方。第4位「Wi-Fi超小型カメラ」手の平のカメラは被写体に向け、探偵は無関心を装いながらスマホで映像を確認、対象者の行動を監視。遠隔調査にも活用。第3位「クリップ式ハイスマホレンズ」カメラの向きを90度回転させた状態で撮影できるレンズ。スマホのカメラを被写体向けず撮影できる。第2位「ソーラーパネル付リュック」リュックを背負って歩いているだけでスマホに充電。電池切れの心配なし。第1位「スマホカメラ用望遠レンズ」高品質な4K光学ズームレンズを使用する十二倍望遠レンズ。映像の劣化が起こらずクリアな画質で撮影できる。これらのガジェットを必ずしも現役探偵の全員が使っているとは限りませんが、かなりの探偵はいずれを使用しているようです。第2位の「ソーラーパネル付リュック」は、リュックとして使用しながら、スマホ以外にもパソコンなどのバッテリーにも充電でき、フレキシブルに動く探偵の業務を強力に支えてくれます。第1位の「スマホレンズ用望遠レンズ」は使用頻度も高く、製品自体小さいので携帯するのに邪魔になりません。またズーム機能をはじめレンズの交換も可能な機種もあり、今や高級カメラを持つよりも使い勝手が良いのではないかと思います。
聞き込みをする際、警戒心を与えず心を開いてもらうために、用いられている方法はどれですか?
2025/09/05
A 菓子折りを渡すB 女性探偵を同行させるC 偽の弁護士バッジをスーツの襟につける恐らく、読者の皆さんはすぐに分かったと思います。菓子折りを突然知らない人から渡されて、警戒心を解くことはできませんし、また弁護士でもないのに、たとえ名乗らなくても偽の弁護士バッジをつけていたら、それなりの罪になります。よって正解はBの「女性探偵を同行させる」でした。女性が一緒にいることで、心理的になんとなくでも警戒心が和らぎます。トークの中で「私も子育て中で……」とか「物価が高くなって生活が大変です」など、身近な話題を具に盛り込み、警戒心を解きほぐすのです。依頼者も妻といい気持ちを共有し、調査対象者の傍若無人な行動を観察することで、人の悲しみを感じ取ることができるようになると共に、人に対して優しくなれたという意見もありました。また、世の中の様々な人物を終始追跡することで、世の中の仕組みが理解できるようになったという探偵もいます。これは余談ですが、若い探偵が友人の主催する合コンに参加すると、探偵というだけで、ほぼ女性全員が興味を持って話し掛けてくれるそうです。「探偵ってモテるな……」と思っていると、食い付きがいいのは最初だけで、守秘義務を守りつつ経験談を話すと、ドン引きされるのがいつものパターンだとか。ともあれ、探偵の調査の現場は、苦労ばかりがつきまといます。そんな彼らのモチベーションを維持し続ける最良の薬は、やはり真実を知った依頼者からの「ありがとう」の言葉です。不倫の事実は大きな心のショックとなるのは想像に難くありませんが、その後の人生を素晴らしいものにするための一つの試金石と捉え、乗り越えていくことで、今まで出会ったことが無かった本当の自分を知ることにも繋がります。不倫が発覚した後も離婚を選択せず、修復の道を選んだご夫婦も少なくありません。調査結果をもとにして、不貞を犯した配偶者の方と真摯に向き合い、ご夫婦の間にどんな問題があったのか話し合うきっかけとなることが多いからです。携わったすべての人に幸せな未来が訪れることを祈りながら、今日も探偵たちは誰にも知られることなく、しかし必死の汗を流しています。
聞き込みの際、探偵であると名乗らず、個別に情報を収集するにはどうすればいいですか?
2025/09/05
A 聞き込み対象地区にアパートを借り住民になるB 特定情報を得る質問をちりばめたアンケート調査を実施C セールスマンに扮し営業トークの中から聞き出す聞き込みの成否は、どれだけ雑談を行えるかにかかっています。当然ですが、「〇〇さんについてお聞きします」など、直球の質問で聞けば怪しまれてしまい、調査していることが分かってしまいます。警察ならいざしらず、探偵には聞き込みの権限を与えられてはいません。だからこそ、まずは雑談から入り、相手の心を和ませてから核心へと入っていくトーク・テクニックが必要になります。とするとアパートを借りて住人になるのは経費と時間がかさみ、選択肢としては考えられません。アンケート調査も、何かの勧誘と思われて拒絶されるケースが多く、やはり効率的ではありません。物販や生保などのセールスマンとして、調査対象者近くの民家を個別に訪れるか、表に出ている人に声を掛けるなどして、コミュニケーションを図るのが最善です。身なりはきちんとスーツを着て、にこやかに愛想よく言葉を交わします。こうした場合は、過去に営業マンの経験がある探偵は、その経験がとても役に立つようです。従って答えはC「セールスマンに扮し営業トークの中から聞き出す」です。
調査の実際=聞き込み篇
2025/09/05
張り込み、尾行に続いて、探偵の調査業務につきものなのが、聞き込みです。聞き込みは、最初に調査対象者の住居や勤務先周辺の地理、住民環境の情報収集を中心に行います。聞き込みの過程で、調査協力してくれそうな人物がいれば、それとなく仲良くなって、突っ込んだ情報を得ることもあります。しかし、聞き込みは見知らぬ人に接触するわけですから、警戒心を持たれることが多く、かなりのテクニックが必要となるため、ある程度経験を積んだ探偵の役割ともいえるでしょう。
ここまで来るとするプロ根性
2025/09/05
某大学の教授が調査対象者だったことから、探偵が学生風のラフなスタイルで調査を開始。ダンスサークルの学生と知り合い、得意のムーンウォークを披露したところ、しつこく勧誘されて夜も部活するハメに。思えば、一緒にダンスを楽しんでいたが、講義の終わる時間が迫り、後ろ髪を引かれる思いで業務に戻ったとか。結果はきっちり出したものの、童顔の32歳探偵にとっては、忘れていた青春時代をほんの束の間、味わうひとときとなった。今でもその時のダンサークルの学生を、懐かしく思い出すという。
尾行中のアクシデント
2025/09/05
尾行は日常生活の真っ只中に身を置くため、様々なアクシデントに遭遇する。不倫が疑われる夫を24時間尾行していたのだが、この夫、とにかくお酒が好きで、金曜日は毎週のように浴びるほど飲んでいた。その日も、朝まで飲み続け、結局始発で帰宅するハメに。ずっと張り付いていた探偵も、疲労困憊となりながら家に着くまで尾行しなければならない。ベロンベロンに酔っぱらった夫が、駅のホームで半ば眠りかけの状態で、よろめきながら電車を待っていると、ぐらっと身体が揺れ、あっという間に線路に転落。傍で見ていた探偵もこれには驚き、線路に飛び降りて、間一髪のところで助け上げた。駅員からは感謝され、ぜひ人命救助で表彰したいので名前と住所を教えて下さいと言われたとか。しかし、身分がバレてしまうと業務に差し障りがあるため、固辞してその日の尾行を切り上げたのだった。
調査対象者がタクシーに突然乗りました。探偵がすぐに追いかけられない場合はどうしますか?
2025/09/05
A その日は諦め次の機会に望みを託すB 目的地を推理し移動するC ナンバーを覚えた後、どこで降車したか聞き出すこうした状況は常に起こり得るものと想定しておけば、臨機応変な対応が可能です。まず、仲間の探偵の車両やバイクがすぐ近くにあれば、それに同乗し追いかけることもできますが、そうしたケースは状況的には稀です。しかし、「仕方ない」とあきらめては探偵の名がすたります。大切なのは、調査対象者がタクシーに乗って、どこに行くのかという事実の追求です。目的地を推理してそこに移動する方法もありますが、より対象者の行動パターンを把握し、多くの情報を持っていなければ徒労に終わる確率の方が高いと言わざるを得ません。正解はCの「ナンバーを覚えた後、どこで降車したか聞き出す」です。まだ運転手の記憶が新しい、その日の内に会社へ電話をし、「○○で男の人を乗せたと思うのですが……」と切り出し、どこで降りたか教えてもらいます。今は個人情報の漏洩を厳しく取り扱っているので、そう簡単ではありませんが、きちんとお話しすれば教えてくれることも結構あります。降車地点を具体的に教えてくれなくてもどの辺りだったのか漠然とした情報でも、参考になりますので、聞いてみて損はありません。
尾行中、エレベーターに乗らなくてはならなくなった時、どうすればいいですか?
2025/09/05
A 階段を使い各階に先回りするB 調査対象者に背を向け一緒に乗るC 戻ってくるまで出口で待つ尾行している際、調査対象者と同じエレベーターに乗らなくてはならないケースほど、探偵に一抹の逡巡を生じさせるものはありません。下手をすればエレベーターという狭い空間を共有したことから、尾行がバレたり怪しまれたりすることも少なくないのです。「乗るべきか、乗らざるべきか」と、探偵の心に一瞬の迷いがあったとしても、ここは乗るべきでしょう。階段を使って各階をチェックするには体力が要りますし、調査対象者の目的の場所が高層ビルの最上階だったとしたら、まず途中で息が上がってへたり込むのは明らかです。かといって出てくるまで待っているのも無駄です。正解は、Bの「調査対象者に背を向け一緒に乗る」です。背を向けるのはエレベーターの中ではごく自然な行為です。逆に先にに乗っている調査対象者に正対すれば、威嚇しているように見えて警戒されてしまいます。背を向けることによって、調査対象者が何階に行こうとしているのか、止まる階を示しているパネルを必然的に見ることになり、確認した上で、その階の二階下のボタンを押します。こうすることで対象者より先に降り、急いで階段を上って、先回りできるというわけです。(※原則的な方法論であり実際はケースバイケースです)同じエレベーターの箱に乗って、怪しまれないかというと、ごく自然に入ればほとんど問題ありません。エレベーターは基本的に不特定多数の人が利用します。ビジネスタワーはもちろんですが、同じ建物にどんな人が行き来しているのか、都会ではあまり関心が無いのが現実です。
複数の探偵で尾行する場合、最も気をつけなければならないのは何でしょうか?
2025/09/05
A 調査対象者に近づかないB 常に複数で行動するC 一か所にまとまらない地方の行き交う人も少ない町では、単独の尾行はすぐに分かってしまいます。そこで複数の探偵を調査に動員するのですが、この時、絶対に犯してはならないミスが、複数の探偵が集団で尾行する行為です。怪しい複数の人間が特定の人物と一定の距離を保ちながら歩いていれば、周囲の人から必ず奇異に思われてしまいます。探偵は目立ったり、怪しまれたりすれば終わりです。複数の尾行は、あらかじめ町の地図を把握した上で、分散して張り込みます。その上で連絡をとりながら、尾行を代わる代わる行うのがセオリーです。従って、正解はCの「一か所にまとまらない」です。こうして比較的閑散とした地方の町でも、調査対象者本人だけでなく、周囲の人々にも怪しまれずに尾行を成功させることが可能になります。徒歩での尾行は、体力があり経験値が上がれば上がるほど勘が働くようになり、相手の次の行動も読め、証拠に行き着く成功率は高まります。まさに尾行の極意は、何百人もの人の後をつけて経験を積むものだと言えるでしょう。ただし、今は電車やタクシー、マイカーでの移動がほとんどですから、乗り物別のノウハウを身に付けていなくてはなりません。よくスパイ映画などでは、尾行する相手が電車に乗ると、その隣の車両に乗って様子を窺うシーンが出てきます。では現実はというと、弊社では原則として調査対象者と同じ車両に乗ることを推奨しています。というのも、特に東京や大阪などの大都会では、ラッシュアワー時の電車は立つ余地もないほど混むからです。押し合いへし合いしている状況で、隣の車両などに行っていては、完全に見失ってしまいます。そこで同じ車両に乗り込み、対象者の後にぴったりとくっつきます。こうすれば降りる際も、一緒に移動できますので、絶対に見失うことはありません。